就業規則とは何か?



きちんとした定義としては、

「就業規則とは労働者の就業上遵守すべき規律及び
労働条件に関する具体的細目について定めた規則類の総称である」

とありますが、あえてざっくり申し上げると


社会の変化に沿って定めた、自社の採用、就業から退職までのルールブック」

です。

「社会の変化」とは

女性の就業

就業規則はその会社における使用者と労働者が
良好な関係をつくるために寄与するものですが、
社会の変化からも大きな影響をうけて就業規則に反映されています。


出産し育児をしている女性がそのまま働き続ける割合は、
令和4年には8割近くになっていますが、10年前は7割程でした。

多くの女性が出産後も継続して働く社会になっています。それと同時に、
出産・育児期を迎える30代以降の女性の非正規雇用割合が高まる傾向は
10年前とあまり変わりません。

いかに、女性が社会の中で活躍し続けられるような
雇用環境をつくっていくのかという課題への取組みが、
ますます重要になってきているのです。

そのために、男性の育児休業が取りやすいように「産後パパ育休」が創設されたり、
育児休業を分割して2回とれるように制度が変化してきているのです。
また、いくら制度を作っても、利用しやすい職場風土がなければ実際には活用しづらいので、
ハラスメント規程を設けることで職場全体で受け入れていく意識変革も行っているのです。


年金受給65歳から

男性は1961年4月2日以降生まれ、
女性は1966年4月2日以降生まれの方は、
年金受給が65歳からになっています。

会社には定年制があり、今までは60歳でリタイヤでしたが、60歳から65歳までの雇用が義務化され、
企業は、定年延長継続雇用定年廃止のいづれかを選択しなければならなくなりました。
段階的に施行され、これが2025年4月までに完全移行です。

つまり、1961年4月2日以降生まれの方たちが65歳になり、年金をもらう時期とリンクしているのです。

選ばれなくなる企業


このように就業規則とは、昔から存在している法律にのみそったものや、
その会社の中だけで運用されるルールに基づいたものだけではないのです。

社会の変化とともに、人々の働き方や働くことに求める価値観も変化し、
法律も新しくできたり改訂され、
就業規則に定めることも変化しているのです。

テレワークも、単に効率的な時間の使い方というだけでなく、
都市部と地方の労働力の柔軟な移転による新しい価値の創造や、
高齢者や障がい者、子育て中の方などが参画しやすい社会づくりという側面もあります。

こういった社会の変化やその背景を踏まえて、会社のルールブックである就業規則を
定めているか否かは、会社の在り方を反映しています。

さらに、新たな制度を就業規則に定めて、実際に運用していくためには、
新たに出てくる課題解決に向けたコミュニケーションも欠かせないはずです。
コミュニケーションの豊かな企業は、風通しがよく一体感のある組織風土がつくられやすくなります。

これから就職する学生さんが入りたいと思う企業は、

社会の変化に鈍感で、よどんだ空気の会社、
社会の変化に敏感で、雰囲気の良い会社、

どちらでしょうか。

あなたの会社は、選ばれなくなる企業、選ばれる企業、
どちらだと思われますか?


優秀な学生さんに選ばれる企業は、
これからのお客様にも選ばれる企業である可能性が高いのではないでしょうか。


どちらの企業になりたいですか?


まとめ

・就業規則は社会の変化をとらえたものである
・社会の変化をふまえた就業規則を整備している会社は選ばれる企業である
・社会の変化をとらえた就業規則の運用で、良い組織風土が醸成される
・就業規則の活用次第で、高い採用力をうみだせる


【参照条文 育児・介護休業法第5条 第9条の2】
【参照情報 内閣府男女共同参画局】


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