モデル就業規則で十分か?(専門家に依頼せずにモデル就業規則を活用し自分でつくる方法)


厚生労働省のホームページにモデル就業規則がありますが、それを活用し
自作することは可能ですか?

結論から申し上げると、可能です。
就業規則は主に2つの記載事項領域に分かれています。
1、絶対的必要記載事項
2、相対的必要記載事項

絶対的必要記載事項は、必ず記載しなければけない事項です。
「始業・終業時刻、休憩、休日、休暇、交替制の場合の就業時転換、
賃金の決定、計算および支払いの方法、賃金の締切および支払いの時期ならびに昇給」

相対的必要記載事項は、制度を採用するか否かは使用者の自由であるが、制度として
採用する場合には必ず記載しなければならない事項のことです。
「退職手当、臨時の賃金・最低賃金額※
安全衛生、職業訓練、災害補償および業務外の傷病扶助、表彰・制裁」などです。
※最低賃金法は記載していなくても適用される

このように法令で記載すべき事項が定められており、
モデル就業規則はこれらを網羅しています。

ただし、以下の点は確認が必要です。
①実際に会社が運用している方法と違う部分がないか
②就業規則運用上の留意点として何を知っておくべきか

①に関しては、例えばモデル就業規則には「年次有給休暇の残日数を支払明細書に記載し
各労働者に通知する」とあります。法令上その通りですが、自社は違う方法で各労働者に周知
する仕組みをとっている場合もありますよね。

②に関しては、例えばモデル就業規則の家族手当に関しては、
18歳未満の子について給付制限人数は記載していません。
賃金規程の諸手当として何を支給するのかは労働基準法に根拠がないため、
会社が独自に決めることが可能で、家族手当の支給範囲や対象人数も任意です。
実際の運用では子は3人までと制限を設ける場合が多いと思われます。

モデル就業規則は法令上必要条件を満たしているため、それを参考に自社で
作成することは可能です。
ただ、自社の運用にそくしているか、運用にあたり何に留意し具体的対応策は何か、について
社労士などの専門家から意見をもらえるようにしておくことが望ましいと思われます。

【参照条文 労働基準法第24条~第28条、労働基準法第89条1号~10号、
労働基準法施行規則第24条の7】


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