多様な介護人材の確保(外国人編その3)


~人材マネジメントの視点から~

介護職の在留資格は①介護②特定技能③技能実習
の3つです。
2019年4月より特定技能が介護分野でも追加されたことで、より長期に雇用することが可能になりました。

外国人の介護人材を採用する場合は、技能実習から特定技能までを視野に入れて考えることが必要です。
最長雇用期間が10年ですから、現場の中核を担う人材にまで成長する可能性もあります。
そうなれば今後、新しい外国人が応募する際にハードルもグッと下がり採用力の向上につながります。

留意すべきは、給与は同様の職務を担う日本人と同等かそれ以上の支払いが必要ということです。
もし、単に労働者として賃金が低く、人件費削減になるから、と考えているならそれは間違いです。
そのため、受け入れる側はどのような目的で受け入れるのかを明確にする必要があります。


さらにいうと、受け入れるメリットを生み出すには、

外国人を採用する目的だけでなく、期待する役割、効果を明確にし実践するする人材マネジメントの視点と機能が必要です。
人材マネジメントとは、「法人の進む方向性や経営目標を達成するために、人材を効果的に運用していくこと」です。
効果的に運用とは、「モチベーションを維持・向上させる施策を行い、育成すること」です。

人材マネジメントの視点と機能がなければ、
現場にいるスタッフは、「誰が仕事を教えるのか、手間が増えて効率が落ちるのでは、、、」
と不安になり、現場の士気低下や混乱をまねくリスクがあります。

特定技能は、2019年4月に介護職も追加されました。同じ年、働き方改革関連法案も導入されています。
働き方改革のキーワードは「多様な働き方」「多様な人材の活用」です。
つまり、「多様」の中に外国人労働者の雇用促進も組み込まれた施策なのです。

多様性を促進する目的のひとつは、
イノベーションです。

イノベーションとは、新しい価値の創造、業務プロセスの抜本的見直しによる効率化、労働生産性の向上を図ることなどです。
そして、それらを推進する組織風土の変革です。
ただ、多様とは異質という側面もあります。異質なものを取り込んでも、今ある良い組織風土が損なわれたり、
現場が混乱する可能性もあります。
だから、イノベーションがおこせるように人材マネジメントの視点と機能が必要になるのです。

人材マネジメントとは具体的に何をするのか?は、また次回お伝えしたいと思います。

最後にまとめると、
外国人材の採用・活用によりメリットを生み出すには、目的、役割、効果を明確にする戦略視点と
戦略を展開する機能として人材マネジメントが必要である、ということです。


PAGE TOP